疲労回復

耳かきが痛い! たった1つの工夫で安全に耳かきを行う方法

耳かきが痛いと感じる場合、無理やり奥まで取ろうとしている可能性があります。耳かきは奥まで行う必要はありません。

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耳かきイラスト世間一般的に、「耳かき=気持ちよいもの」
という認識がされていると思います。

しかし、耳の中に物を入れて、ひっかくというだけで、痛みを感じる方がいます。

耳に関連する記事を多く書いている私自身も、「耳かきが痛い」と苦痛に感じている一人です。

そこで、本日3月3日は「耳の日」に関連して、「耳かきが痛い」と感じる人に試して欲しい、安全な耳かき法についてご紹介します。

1耳かきが「痛い」と感じる理由

耳の解剖図

耳かきは気持ち良いもの、と一般的に言われています。
しかし、耳かきに激痛を訴える人が一定数存在します。

それは決して、耳の中を強い力で引っかいているから、
という単純な理由だけではありません。

1-1.耳の奥は本来痛む場所

そもそも耳の中は直線ではありません。
耳の入り口から鼓膜までの『外耳道』は、頭上から見ると『く』の字に曲がっています。

つまり、まっすぐに耳かき棒を入れると、耳かき棒は壁に引っかかります。

1-1-1.『耳の中』は3cmしかない

そもそも、耳の入り口から鼓膜まで、外耳道はわずか3cmもありません。
カナル型のイヤホンの耳栓が1cmですので、非常に短いことがわかります。

更に、この外耳道は手前と奥に2分類できます。

  • 軟骨部外耳道(手前)
  • 骨部外耳道(奥)

軟骨部外耳道は、いわゆる耳毛が生えている部分です。
ここに体液を分泌する耳垢腺があり、その体液と埃などが混ざることで耳垢ができます。

一方、鼓膜に近い奥まった骨部外耳道は、骨の上を皮膚が覆っているようなところです。
とても敏感で傷つきやすい部分です。

つまり、奥まで掃除すると物理的には痛くなってしまいます。

ですので、自分で耳かきをする場合は耳毛のある辺りまでで十分だということです。

1-2.大きい耳垢が乾燥している

耳かきで耳が痛くなる原因は、『個人差』によるものです。
この個人差というのは、「耳垢の質」の個人差です。

実は耳垢の質は、遺伝子レベルで決まっています。

具体的に、まず耳垢は大きく2種類に分類可能です。

  • 液状のタイプ(湿性耳垢)
  • 乾燥しているタイプ(乾燥耳垢)

日本人の遺伝子は、乾燥しているタイプが大半だと言われています。

さらにいえば、乾燥しているタイプの耳垢も、

  • 粉末状でパラパラしている
  • 薄皮状で張り付いている
  • コロコロした塊になる

といった風に分けられます。

ここで問題になるのは、3つ目の
『コロコロした塊』が乾燥して固まってしまう場合です。

この乾燥している塊は、触れると『コツン』
と音がするほど固まっていることがあります。

そうなってしまうと、耳かき棒で引っかいただけで
外耳道に痛みが走る原因になってしまうことがあります。

昨今、様々なメディアで耳かきについて書かれていますが、
そこで前提となっている耳垢の質を区別する必要があります。

1-3.大きい耳垢が固まっている

更に考えられるのは、巨大な耳垢が耳の奥で固まっているケースです。

耳かき棒や綿棒で掃除をしているつもりでも、実はせっかく手前まで
出てきた耳垢を奥まで押し込んでしまっている可能性があります。

そうすると、耳の奥に押し込まれた耳垢が大きな塊になることがあります。

そうした耳垢を放置すると、『耳垢全塞』という病気になります。
これは、耳垢が耳を塞いでしまう病気で、耳鼻咽喉科で取り除いてもらう必要があります。

参考:耳の穴が塞がる耳垢栓塞は耳掃除のし過ぎが原因?

2.まったく耳が痛くならない耳かきのやり方

では、どうすれば痛くない耳かきが出来るのでしょうか。
大原則は、『手前(1.5cm)のものだけを取るという』という合言葉を意識してください。

2-1.『1.5cm』で短く持つ

そこで、具体的に耳の奥まで耳かき棒や綿棒を入れないために、どのようにすればいいでしょうか。

これは単純なアイディアですが、道具を短く持つことによって解決します。

特に、耳かき棒はリーチが長いので、
つい長く持って奥まで引っ掻きがちになってしまいます。

耳かき棒の先端から1.5cmのところに印をつけて、
そこを持つようにして耳かきをするとベストです。

2-2.耳垢は自然に出てくる

耳かきは手前だけでいい、というとこんな風な意見が出てくると思います。

  • 手前1.5cmじゃ奥まで取りきれない!
  • 奥の痛気持ち良いところがガリガリ音がして大物がいそう!

よく言われていることですが、耳垢は自然に外へ出てきます。
会話したり、咀嚼したり、あくびをしたりこうしたあごの振動で、自動的に押し出されるのです。

ですので、「耳の奥に大物が潜んでいるに違いない」と好奇心を持つのではなく、
『手前まで出てきたところで掃除しよう』と考え方を切り替える必要があります。

特に、奥でガリガリ音がするのは、鼓膜を引っかいている危険性があります。
2016年に国民生活センターが発表した統計では、耳の掃除中の事故が過去5年間で178件も寄せられています。
その中には、耳かき棒を奥まで入れすぎて鼓膜を破ってしまうというケースもあります。

参考:国民生活センター報道発表資料

3.耳かきすべきかは、自分の耳垢の質を知ってから判断するべし

さて、そうまでして耳かきをする必要があるのでしょうか。

昨今では、さまざまなメディアで取り上げられる議論で、
いろいろなことが言われていてわからなくなってしまいます。

これに関して、結論を出すと、『個人差がある』と言わざるを得ません。

先に述べているように、耳垢には遺伝子レベルの個人差があるので、最適な耳かきの方法にも個人差が発生します。

耳かき棒を使うべきか、綿棒を使うべきか、
あるいは、どの程度の頻度で行うべきか。

これらは、『自分はどういう耳垢の質なのか』というのを理解する必要があります。
その上で、様々なメディアで言われている方法の中から、最適な方法を選別する必要があります。

4.まとめ:自分でやって良い範囲の確認と、異常を感じたら専門家へ

筆者は親から耳かきをされると、いつも激痛で泣き叫んでいました。
思い返せば、親は耳の奥、鼓膜ぎりぎりまで取り除こうとしていたのが原因だったと思います。

近年では、「耳かきをしてはいけない!」という極端な意見が多く見受けられます。
「動物は耳かきなんかしない」「耳垢で死ぬことはない」等の論調です。

しかし、

  • 『耳かきをピタッとやめてしまったばっかりに、耳垢栓塞になってしまった!』
  • 『耳かきをしていないからこそ、耳垢が詰まって痛い!』

という事例も多く存在します。

特に目に見えない部分なので、耳のケアをする際には、プロの手を借りるのをおすすめします。
実は、保険証を持って耳鼻科にお願いをすれば、1000円台(初診でも2000円)で耳垢を取り除いてもらえます。

とは言うものの、『耳かきごときで耳鼻科に掛かるなんて』と思われるでしょう。

最低限の1.5cmまでは自分でやって、異常を感知したら耳鼻科に相談する。
というのが、現状で取れる最良の手段だと思います。