睡眠音楽

イヤホン難聴を予防するための、音楽の聴き方とイヤホンの選び方

イヤホンを耳栓代わりに、周りの雑音以上の音量で音楽を聴いているとイヤホン難聴になってしまう危険性があります。

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難聴にならない音楽の聴き方と機材の選び方電車での移動中やカフェでのノマド中、周りの話し声や雑音をつい音楽で打ち消していませんか?

スマートフォンやMP3プレイヤーなど、気軽に音楽を持ち歩けるようになった現代、
若者を中心に騒音性難聴の一種である「イヤホン難聴」「ヘッドホン難聴」になってしまう人が増えています。

「そうは言ってもライブじゃあるまいし、爆音で音楽を聴いているわけじゃないから」

なんて思っていませんか?

今回は、簡単にイヤホン難聴になってしまう原因と、予防するための音楽の聴き方・イヤホンの選び方についてご紹介します。

イヤホン難聴とは?

耳詰まりイヤホン難聴(またはヘッドホン難聴)とは、その名の通りイヤホンや
ヘッドホンで音楽を聴いていることで発生する難聴の一種です。

【音響外傷】のひとつだと言われています。

音響外傷とは、ライブなどで大音量の音楽を聴いた後、ぼわぼわして音が聞こえにくくなってしまう現象です。1990年代には、「ロック難聴」や「ディスコ難聴」というのも存在しており、現在でも「ライブに耳栓を着けて参加する」という参加者が増えているほどです。

イヤホン難聴は、ひそひそ話に気付かないレベルの難聴

このイヤホン難聴によって、どの程度聞こえが悪くなるのでしょうか。
一般的には、イヤホン難聴は軽度難聴の程度まで下がると言われています。

難聴にもレベルがあり、

  • 軽度難聴
  • 中等度難聴
  • 高度難聴
  • 重度難聴

の4段階があるといわれています。

厳密に「何デシベル以上が聞こえないと軽度軟調で、これ以上は中等度難聴」という尺度はバラバラですが、
難聴対策委員会によれば、以下のように分類をしています。

軽度難聴:25dB以上40dB未満
中等度難聴:40dB以上70dB未満
高度難聴:70dB以上90dB未満
重度難聴:90 dB以上

引用元:難聴対策委員会報告『難聴(聴覚障害)の程度分類について』

25dB~40dBというと、次のような音が該当します。

40dB:市内の深夜・図書館・静かな住宅の昼
30dB:郊外の深夜・ささやき声
20dB:木の葉のふれあう音・置時計の秒針の音(前方1m)

参考:dBデシベルの話し 音の大きさ

20dB~40dBの音は、かなり静かで落ち着くような音ばかり並んでいます。
イヤホン難聴だと、こうした音が聞き取れなくなる事態が起こるというわけです。

イヤホン難聴になる原因

そもそも、人間は音をどのように聞いているのでしょうか。

こちらの記事では、ヘッドホンによる難聴の仕組みを説明しています。

聴覚は、音の振動によって鼓膜(こまく)がたわみ、それが耳小骨(じしょうこつ)を通って内耳(ないじ)の内リンパ液をふるわせることから起こります。そしてリンパ液の振動が神経に伝わり、脳へと音を感知する仕組みになっています。

ヘッドホン難聴はこの内耳の部分が損傷を受けて発症します。今の医学では、この部分を手術で治すことができないため、保存的加療(服薬や点滴など)をします。

引用元:専門医に聞く。急増中の「ヘッドホン難聴」を防ぐには?

 

大きな音を聞いたライブなどの帰り道、誰でも耳が遠くなりますが、その後聴覚は元に戻ります。
ところが、イヤホン難聴はそれが戻らない状態になってしまうことなのです。

現代人は、無意識に大音量でイヤホンで音楽を聴いている

そうは言っても、「そんな大音量で音楽なんて聴いてない」とお思いでしょう。

実は、耳栓の代わりに音楽を聴いているだけで、耳にとっては負担の掛かっていることが良くあります。

WHO専門委員会が1999年4月にロンドンで発表した、「環境騒音のガイドライン」によれば、
ヘッドホン難聴を防ぐためには、次のように言っています。

ヘッドホンによる音楽聴取による聴力障害を防ぐためには,成人の場合も小児の場合も,
24 時間の LAeq は 70dB(A)以下にとどめるべきである。これは,1 日 1 時間の聴取の場合
に,LAeq,1h を 85dB(A)以下にとどめるべきであることを意味している。急性聴力障害を
防ぐためには,最大騒音レベルは常に 110dB(A)以下にとどめるべきである。なお,ここに
示した曝露量は全て自由音場に換算した値である。

引用元:WHO『環境騒音のガイドライン』

LAeqというのは、『等価騒音レベル』を意味します。簡単に説明すると、『音の平均値のdB』のことです。

環境騒音のガイドラインを要約すると、次のようになります。

  • 24時間の間に、聞いた音量の平均が70dBを超えてはいけない
  • 1時間の間に、聞いた音量の平均が85dBを超えてはいけない
  • 110dB以上の音を聴いてはいけない。

数値で出されてもピンとこないと思うので、具体的な身近な音をご紹介します。

  • 110dB:自動車の警笛(前方2m)・リベット打ち  
  • 100dB:電車が通るときのガードの下
  • 90dB:犬の鳴き声(正面5m)・騒々しい工場の中・カラオケ(店内客席中央)
  • 80dB:地下鉄の車内・電車の車内・ピアノ(正面1m)
  • 70dB:ステレオ(正面1m、夜間)・騒々しい事務所の中・騒々しい街頭

参考:dBデシベルの話し 音の大きさ

80dBが電車内の音、と聞いて思い当たる節がありませんか?

電車内の音が聞こえないような音量で音楽を聴いていると、わずか1時間でWHOが定めた数値を超えてしまうのです。

イヤホン難聴にならない音楽の聴き方

耳の後ろが痛い原因イヤホン難聴にならないためにはどのようなことに気をつければいいでしょうか。
とにかくやってはいけないタブーは、「大音量」で、「長時間」聴いてはいけないということです。

音量は後ろから来る自転車の音が聞こえるレベルで

電車内で遮音しないレベルの音量というのは、どれくらいの音なのでしょうか。

ひとつの目安として、イヤホンで音楽を聴いている時に後ろから近づいてくる自転車に気づくことができるくらいの音量がちょうどいいそうです。
それなら耳も傷めませんし、自転車にも轢かれることもありません。まさに、一石二鳥です。

長時間音楽を聴くのは控える

長時間音楽を聴くのも、耳への負担になってしまいます。

音楽を聴いているときに意識してみると、耳が違和感や異物感を訴えるタイミングが多々あります。
そうしたら、すぐにイヤホンを外して、耳を休ませるようにしましょう。

また、眠れない夜に音楽は気持ちをリラックスさせるので非常におすすめですが、
寝ている間も音楽が鳴り続けるのは、耳が休まらないことになります。
ループを止めたり、タイマーで止まったりする機能を設定すれば、安心して眠れます。

イヤホン難聴になりにくいイヤホン、ヘッドホンの選び方

共感覚テストとは次に、イヤホン難聴を予防するためのイヤホン・ヘッドホンの選び方です。
周りの雑音を遮音する目的であれば、音楽の音量を大きくするのではなく、イヤホン自体の遮音性を高めるべきなのです。

イヤホンよりもヘッドホンがオススメ

イヤホンよりは、遮音性が高いヘッドホンのほうがオススメです。
特に、開放型よりも、密閉型のほうがおすすめです。遮音性が高いほど、大音量で音楽を流す必要がなくなります。

イヤホンを選ぶなら、通常タイプ(インナーイヤー型)よりも耳栓タイプ(カナル型)

こちらも理由としては同じ、遮音性の問題です。耳の穴にフィットするように装着するカナル型イヤホンをオススメします。

ただし、カナル型イヤホンはいわばスピーカーを耳の穴に入れているようなものなので、
カナル型イヤホンで大音量は耳に大ダメージを与えかねません。こちらも音量調節を意識してください。

ノイズキャンセリングはなお良し

ヘッドホンだと肩がこったり、カナル型は耳の穴を圧迫する感じがして嫌だという方もいると思います。
そんなあなたには、ノイズキャンセリングのイヤホンがおすすめです。これなら、あまり耳を圧迫しないでも周囲の雑音を打ち消してくれるため、小さい音量でもクリアに楽しむことができます。

耳は代わりの効かない消耗品!

耳の病気として考えられるものイヤホン難聴を防ぐために気をつけるべき点をまとめます。

  • 大音量で音楽を聴かない
  • 長時間音楽を聴き続けない
  • イヤホンの遮音性を上げる

聴覚は人間に備わった大事な機能なのに、耳は代わりの効かない消耗品です。

研究が進んではいるものの、今日イヤホン難聴になってしまうと、今の医療だと完治することは難しいと言われています。

周りの雑音から距離を置いて集中したり、リラックスさせてくれる音楽と長く付き合うためにも、ここまで書いてきたことを是非心がけてください。